充電時間
バッテリーに貯められる電力にはそれぞれ限りがあり、バッテリーの種類や能力によってその電力量(容量)が違います。充電とはバッテリーという器に電力を流し込むようなイメージで、走行ではその電力を再び送り出すことでモーターを駆動します。
上の画像はバッテリーの充電イメージをイラスト化したものですが、水道がACコンセント、ポンプが充電器、容器がバッテリーと置き換えるとわかりやすいかもしれません。ポンプ(充電器)は水道(ACコンセント)から供給された水(電力)を容器(バッテリー)へ押し出します。ポンプを押す力が電圧、ポンプのノズルが電流といったところでしょうか。もちろん太いノズルで力いっぱいポンプを押せば、たくさんの水を短時間で貯めることが可能ですが、バッテリー充電の場合は受ける側の容器(バッテリー)でも制約があり、一度にたくさんの電力を流すとバッテリーが壊れることもあります。浅い容器に一気に水を流し込むとはみ出したりあふれたりしますよね。ですからあふれないように静かに注ぐ、つまり適正な電力量で充電する必要があります。充電器によっては最初は大電力で充電し、満充電が近づいたら電力を減らして少しずつ充電するという機能を持ったものもあります。ラジコンカー用の充電器は電圧をバッテリーに合わせて一定値に設定し、充電時の電力量は電流値で変化させるものが主流です。
バッテリーはそれぞれ定格電圧や定格容量などが決まっています。定格電圧はV(ボルト)で表記され、ラジコンカーで使われるニッカドやニッケル水素バッテリーは7.2V(6セル)、リチウムポリマーバッテリーは7.4V(2セル)が主流ですので、充電モードを選択できる充電器はそれぞれのバッテリーに合わせて電圧をセットします(たいていの場合はバッテリーの種類とセル数を選択することで電圧が自動セットされます)。充電時間に影響するのは充電電流で、電流値を高くするほど早く充電することが可能です。しかし前述したように受ける側(バッテリー側)の制約もあり、専門的な言葉で1C充電(いちしーじゅうでん)と呼ばれる充電メソッドで行う必要があります。1C充電はバッテリーの定格容量を1時間で充電できる電流値と考えればよく、例えば3000mAhの定格容量のバッテリーであれば、3000mAh=3A以内で充電するのが妥当という考え方です。
理論上は定格容量3000mAhのバッテリーを3Aの電流値で充電すれば1時間で満充電になることになりますが、実際には充電器側で電流値を可変させることも多く、前述したように満充電に近づいたら電流値が自動的に下がる場合が多いです。よって、電流値が可変させられる充電器で1C充電を行った場合でも、満充電までには1時間プラスαの充電時間となります。ちなみに簡易型の低電流充電器は、定格電流が1Cよりも低く設定されている場合が多く、2時間から8時間ほどの充電時間がかかります。