ホイールのオフセット
ラジコンカーのホイールは、様々なシャーシで使えるように共通の規格で作られている場合が多いです。例えば10分の1ツーリングカーなどでホイールをアクスル軸に取り付ける場合は、アクスル軸に六角ハブといわれる部品を取り付け、その形状に固定できるようにホイール側にも六角形の溝が作られます。ホイールの外径や幅もほとんど同じようなものが多く、このあたりを共通化することでタイヤの選択肢が増えるなどのメリットがあります。
ホイールの幅や外径を規格化するのは実車と同じですが、いろいろ調べてみると実車とラジコンで規格の定め方がまったく違っている部分がありました。それは”ホイールオフセット”です。オフセットとは基準となる面に対するもう一つの想定面との距離を表しますが、実車のホイールの場合は車体側のハブ取り付け面と、ホイールの中心面の間の距離ということになります。つまりハブ取り付け面がホイールの中心にあればオフセット0で、オフセットがプラスになるとホイールが車体の内側に入り、マイナスになれば外側に張り出すということになります。また、想定面がホイールの”中心”という設定なので、同じオフセットでホイール幅が広がれば外側にも内側にも広がっていくということになります。
実車の場合は規格を定める基準が車体側のハブ取り付け面であると思われますが、ラジコンカーの場合は”全幅”が規格を定めるきっかけとなっていたようです。レースのレギュレーションで全幅が定められるため、ホイール外側の面を基準に、車体側のハブ取り付け面までの距離を車体(シャーシ)に合わせて変えていたようです。ラジコンカーでもオフセット0という規格がありますが、現在のオフセット0ホイールを計測してみると、ホイール外側の面からハブの取り付け面までの距離が7mmというのが一般的なオフセット0規格のようです。
実車と違いオフセット量が増えればホイールは外側に出るのですが、計測基準がホイール外側面となるため、ホイール幅が変化した場合は全幅は変わらず、ホイールの内側面だけが変わる(ホイールの内側面だけが内側に張り出す)ことになります。現在ツーリングカーで主に使われているのは24mm幅のホイールですが、オフセットが同じで26mm幅のホイールを装着した場合は、24mm幅に比べて内側に2mm張り出すイメージとなります。
ホイール外側の面から7mmの位置がオフセット0になった経緯は調べきることができませんでしたが、おそらくラジコンカーでホイールオフセットが語られ出した当時のマシンを、当時のレースレギュレーションに合わせた寸法がこのあたりの数値だったのではないかと推測されます。