ドリフトパッケージ 組立講座 Chapter.3 ステアリング周り
●袋4
■P8
ここからはステアリング周りの組み立てだ。ドリフトパッケージのタイロッドやアッパーアームには、片側が逆ネジになっているターンバックルシャフトが使われている。ターンバックルの効用は両端のボールエンドを固定した状態でターンバックルシャフトを回すだけで、その長さを簡単に変えることができるというものだ。アッパーアームや、ここで制作するタイロッドなどがターンバックルになっていれば、パーツを取り外すことなくキャンバーやトーインの変更が可能になるというわけだ。中央の六角部分に溝が付いている側が正ネジ、逆側が逆ネジになっている。
ボールエンドキャップにターンバックルシャフトをねじ込んでいくのは面倒な作業だが、十字レンチの一端にD形状の溝がつけられているので、そこにボールエンドキャップを取り付け、ターンバックルシャフトをねじ込んでいくと作りやすい。付属のターンバックルレンチも活用しよう。
各ターンバックルの長さはノギスで測るのが一番正確だ。特にタイロッドとアッパーアームは左右対称が基本となる。キット内にはドリフトレーサーに使われている簡易型の固定式タイロッドも入っているので、とりあえずアームの長さは変更しないというのであればそれを利用しても構わない。キット標準の長さで制作すると、キャンバーは前後とも約3度、フロントがややトーインになるように設定されている。
タイロッドの長さは組立説明書にも実寸で記載されているので、もちろんそれに合わせてもOK。
ベルクランクを支える4×8mmプラベアリングは出来るだけきれいにカットする。写真左のように切り残しが出ていると、ステアリングの動きが阻害されるので注意が必要だ。プラスティック製なので、カッターでバリを切り落とすだけで大丈夫。
プラベアリングをボールベアリングに換えることで、ステアリングレスポンスの向上や確実な作動、パーツの耐久性の向上が期待できる。あまり分解しない部分なので、予算に余裕があったらあらかじめ組み込んでおいてもいいだろう。
センターリンクは取り付ける向きに注意する。中央の盛り上がっている部分が上側で、への字のくぼんでいる側がロッドエンドボールの取り付け面になる。
図中のAのキングピンは、きつくねじ込みすぎるとステアリングの動きが悪くなる、赤矢印の部分の動きが悪くならない程度に、キングピンを調整しながら締め込もう。
ベルクランクの完成形。ベルクランクの左右に間違いが無いか、センターリンクの向きが問題無いか確認する。なお、左右のタイロッドは全て正ねじの向きを同じにしておくと、後々の調整時に迷わなくて済む。
これは完成時の画像だが、タイロッドの向きをすべて合わせておくと、トーインやキャンバー調整を行う時に、ターンバックルレンチを動かす方向が分かりやすい。
ロッドエンドボールにボールエンドキャップを装着した際に、クリアランスがきつすぎてやや動きが渋くなることがある。そんな時はボールエンドをロッドエンドボールごとラジオペンチで強く挟んで潰すようにすると、ボールエンドキャップ内部のクリアランスが広がり、動きがスムーズになる。
●袋5
■P9
メインシャーシにベルクランク、センターシャフト、ギヤボックスを取り付け、その上からフロントシャーシブレース、リヤシャーシブレースで固定する。
フロントシャーシブレースの中央・前側には成形時のバリが出ていることがあるが、そのままではフロントのギヤボックスと干渉して取り付けられないので、ニッパーやカッターなどできれいにしておこう。
フロントシャーシブレースを取り付けたら、ステアリングベルクランクを動かして作動を確認する。フロントシャーシブレースのビス止めがきつすぎるとステアリングの動きが渋くなることがあるので、ビスの締め込み具合で調整する。
リヤ シャーシブレースも同様にビス止めするが、やはりここもネジの締め込みすぎはシャーシのねじれにつながる部分、力の入れすぎには十分注意する。