ドリフトパッケージ組立講座

ドリフトパッケージ 組立講座 Chapter.12 ボディ塗装

ドリフトパッケージのボディはポリカーボネイトという透明な樹脂で作られている。この樹脂は防弾ガラスや新幹線のガラスなどに使われている素材の一つで、非常に衝撃に強い特性の樹脂だ。素材の色はクリアなので、内側から塗装することで、仮に塗装を失敗しても外側はつやのあるきれいな状態に仕上がる。塗装を終えたらカットラインに沿ってカッターや曲線ばさみ等で外枠とホイルアーチをカットするが、特にホイールアーチ部分はアールがきついので、ハサミを使うよりはカッターで筋を入れ、割り取るようにすると上手くいく。


ドリフトパッケージシリーズのボディは基本的に単色で塗装し、デザインなどは全てデカールで仕上げるようになっている。デカールの数はかなり多いが、じっくりと時間をかければきれいに仕上がるはずだ。窓とライト類を塗装しないように保護するマスキングも付属している。


ボディには専用の説明書と、仕上がり見本が付属している。塗装を始める前にぜひ一読し、仕上がりイメージを作っておこう。


ポリカーボネイトボディの塗装には、専用のスプレー塗料が別途必要だ。模型店などで売られているので事前に用意しておこう。
今回は全体を赤に塗装する。仕上がり色は赤1色なのだが、ここではより発色を良くするための白と、光が透過してしまうのを防止する裏打ちの黒も用意し、重ね塗りでより良い仕上がりになるようにする。


ボディには成形時の汚れや皮脂などが付いていることがあるので、事前に台所用の中性洗剤で洗おう。あまり傷をつけてしまうと仕上がりが悪くなるので、柔らかいスポンジで軽くこする程度でいいだろう。
洗剤をきれいに流したら水分をぬぐい、風通しの良いところで完全に乾燥させる。


窓のマスキングはあらかじめカットされているが、貼り付け位置を定めやすくするために台紙ごと切り離すといい。


切り取った窓用マスキングの端を少しだけはがし、台紙(裏紙)の一部を切り取る。


台紙を切り取った部分が貼りつかないように気をつけながら、残りの部分(まだ台紙が残っている部分)で窓枠の位置を決める。


ずれないように気をつけながら台紙を切り取った部分から貼りつけ、残っている台紙を少しずつはがしながら、端から抑えて空気が入らないように貼り付ける。


マスキングの端を爪などでこすり、ボディとしっかり密着させる。端部の貼り付けが甘いと塗料が流れ込んでしまうので、ボディ表面からも見ながらしっかりと貼り付けよう。
大きなマスキングやボディのデカールを貼りつけるときも、ここまでの手順を覚えておくと位置の確定やデカール内に空気が入るのを防ぐことができる。ぜひマスターしておきたいテクニックだ。


同じようにライト部分もマスキングしておく。ライトをデカールのみで仕上げる場合はこのマスキングは必要ないが、後々LEDライトユニットなどを取り付ける場合には、塗装を剥がすことが難しいので、あらかじめマスキングを施してクリアに仕上げておこう。


各車種に対応したライトユニットや様々な電飾パーツも発売しているので、ボディをより個性的に仕上げることが可能だ。

ドリフト用 ライトユニット各種


エアロパーツなどが別成形されている場合には、当然そのパーツも塗装する必要がある。小さなパーツは割りばしなどに貼り付けておくと、塗装時に手を汚さなくて済む。乾燥するときの置き方もこの時点で考えておこう。


塗装は必ず風通しの良い場所で行う。塗装面からスプレーを30cmほど離し、出来るだけ均等になるように吹き付ける。一か所に集中するとムラになりやすいので、出来るだけスプレーを動かし続けるようなイメージで行うとうまくいく。


フロントのグリル周りなどは特に塗料が入りにくい部分なので、一番先に吹き付けを行うと塗り具合がわかりやすい。あらゆる方向から塗料がかかるようにスプレーの向きをうまく考えよう。


一気に塗装をしてしまうと塗料が流れてしまうことがあるので、3~4回程度に分けて塗装するといいだろう。1回目は写真のようにごく薄く、向こう側が透けて見える程度で問題なし。ある程度スプレーを吹いたら確実に乾燥させ、少しずつ塗り重ねるようにスプレーする。特に明るい色は一気に吹き付けがちなので注意が必要だ。


赤の塗料を3回吹き付けて基本色を塗り終えた状態。一見この状態でも十分に感じられるが、実際にシャーシにボディを装着すると、やや色がくすんで見える。薄い色・明るい色ほどこの傾向は強いので、ぜひ裏打ち塗装を行って頂きたい。


表側の発色をより良くするために、裏側から白色の塗料で裏打ちする。厚塗りする必要はないが、均等に塗料がかかるように吹きつけよう。


よりクオリティを上げるため、ドアミラーもボディカラーに合わせて塗装する。このパーツはプラスティック製なので表面に塗装するが、地色の黒にそのまま赤を塗装してもやはり発色が悪くなるので、写真のようにベースカラーの白を塗り、その上に赤を塗装する。もちろんプラモデル用のカラーのほうが塗料のノリや艶がよくなるが、ここではポリカーボネイト用塗料をそのまま使ってみた。表面のツヤはややくすんでしまうが、問題無いレベルだろう。


今回は窓をクリアに仕上げるので、ボディ内部の不自然さを無くすために黒で塗装した。こうするとLEDライトユニットなどを取り付けた場合にも、光漏れを防ぐことができ一石二鳥だ。


ボディの角や凹凸のある部分にマスキングをすると、どうしても塗料がはみ出してしまうことがある。


そんな場合には、塗装の際に使用した割りばしの先をカッターで削り、はみ出したとろをこすり取ってしまうのがいい。マスキングテープは本来完全に乾燥してからはがすものだが、やや生乾き(手で触れても塗料が手につかない程度)の状態で慎重にマスキングテープを剥がし、塗料が柔らかいうちに修復するときれいに直すことができる。
また、ポリカーボネイト塗料用のリターダー(乾燥を遅らせる溶液)を綿棒につけてこすると、乾いた塗料も剥がすことが可能。


塗装が完了、窓枠などのマスキングシートを剥がす際には、塗装面まで剥がしてしまわないように慎重に行う。さらにボディ外側の保護ビニールを剥がすと、ツヤツヤのボディが出現!


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